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2018年4月の俳句
田畑益弘 俳句新作


新着情報 画像4月

吟行の一人はぐるゝ春深く

草色のもの草に棲み春深し

醍醐水醸して咲けるさくらかな

念々に我あたらしき櫻かな

ほつこりとして鍵善に花の昼

長堤の果は天なるさくらかな

ぬばたまの闇もひしめく櫻かな

久闊を叙する御室の櫻かな

根元より御室櫻の盛りかな

一切を水の見てゐし落花かな

ハーモニカつたなく鳴りて春夕焼

花の種ミッキーマウスより貰ふ

花散るや星の瞬きしきりなる

花の上にまた花の散る逢瀬かな

母が逝きすぐ父が逝く花筏

かの人のその後を知らず花筏

奔流の果てをも知りて花筏

若すぎる死やつばくろの翻り

カーテンの色変へてみる春愁ひ

まむし注意と鞍馬山笑ひをり

頭より身体をつかへ山笑ふ

ひとづまと訪ぬる奈良の八重櫻

ひとすぢの朧となりて高瀬川

頬杖をつくランボーの春愁ひ

青柳や舞妓に出逢ふ巽橋

たそかれを舞妓のいそぐ柳かな

頬に零れし目薬や花の冷

夕網のものばかりとぞ能登は春

青踏むや寺山修司ポケットに

初つばめ智恵子の空のありにけり

しやぼん玉飛べば蒼茫たる亜細亜

しやぼん玉午後のまろび寝つゞきをり

つばくろの百万石の城下かな

かぎりなき飛花実朝の海さして

きのふけふブッセの空へ鳥帰る

都をどり丈高き妓もふえにけり

忌中より忌明淋しき残花かな

日曜の夜のさみしさや遠蛙

月曜といふもの憂さや昼蛙

春の夜の止り木にゐるハムレット

父の忌の近づきをれば芽吹くなり

手のひらに大河を掬ふ日永かな

釣人の垂らす釣糸日永なる

つゞき見て暗転したる春の夢

ふりむけばすべてまぼろし花の道

かげろふの中へ消えゆく一人づつ

審判のゐぬ草野球春の雲

口開けて口の数だけ燕の子

大寺の屋根まで飛べて雀の子

図書館の静かに混みて春霖雨

ピッコロの音フルートの音風光る

いろいろな名で呼ばれをり捨仔猫

早や蝶の骸を見たる啄木忌

レガッタの早やも日焼けし男たち

花屑や仁王の踏まふ天邪鬼

箸置は小舟のかたち夏近し

お通しの酢の物の香や夏近し

寄居虫の脚いそがしき九十九里

かにかくに白川が好き春の鴨

風青し杜の都のスタジアム

惜春の手をおばしまに嵐山

行く春のひきしほの端踏みてをり

鳴き砂を鳴かせて春を惜しみけり

五右衛門の山門に春惜しみけり

ゆく春の渚にのこす砂の城

天摩するビルのかがやき夏隣

朧夜の白梅図子といふ小径

なほ動く明治の時計花は葉に

葉桜やサンドウィッチですます昼

イタリアの国旗お洒落や花は葉に

てふてふや線路の脇の献花台

しやぼん玉の毀れて消ゆるほどのこと

人面のときどき鬼面花篝

石仏の頬の深手や桜冷

渡月橋半ばにやみぬ花しぐれ

花しぐれ花の下にてやり過す

真水浴びをんなに戻る陸の海女

清滝の家並ゆかし鮎のぼる

滾ちつつ一期の鮎を上らしむ

ゴールデンウィーク鍵屋も鍵を掛けて留守

切株に知る木のよはひ昭和の日


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