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2017年4月の俳句
田畑益弘 俳句新作


新着情報 画像4月

草色のもの草に棲み春深し

都をどり丈高き妓もふえにけり

かたはらに死亡広告花だより

来てみれば果して散れる山桜

板前はむかし美男子花の宿

醍醐水醸して咲けるさくらかな

念々に我あたらしき櫻かな

USBメモリにしまふ櫻かな

吟行の一人はぐるゝ春深く

コンピュータ・ルームに癒えし花疲れ

ほつこりとして鍵善に花の昼

長堤の果は天なるさくらかな

ぬばたまの闇もひしめく櫻かな

花人の中に亡き人ゐるやうで

いろいろな名で呼ばれをり捨仔猫

ハーモニカつたなく鳴りて春夕焼

花の種ミッキーマウスより貰ふ

たましひの遠出したがる花の雲

ひとつぶの雫の中の花月夜

久闊を叙する御室の櫻かな

ふりむけばすべてまぼろし花の道

散つてゆく花一片のものがたり

一切を水の見てゐし落花かな

花散るや星の瞬きしきりなる

花の上にまた花の散る逢瀬かな

母が逝きすぐ父が逝く花筏

かの人のその後を知らず花筏

奔流の果てをも知りて花筏

若すぎる死やつばくろの翻り

カーテンの色変へてみる春愁ひ

かぎりなき飛花実朝の海さして

花屑や仁王の踏まふ天邪鬼

根元より御室櫻の盛りかな

まむし注意と鞍馬山笑ひをり

頭より身体をつかへ山笑ふ

ひとづまと訪ぬる奈良の八重櫻

ひとすぢの朧となりて高瀬川

鄙よりも都会は淋しリラの花

かげろふの中へ消えゆく一人づつ

西方へ仔猫探しに行つたきり

青柳や舞妓に出逢ふ小橋の上

たそかれを舞妓のいそぐ柳かな

夕網のものばかりとぞ能登は春

青踏むや寺山修司ポケットに

初つばめ智恵子の空のありにけり

春宵やイノダコーヒに長居して

春の夜の止り木にゐるハムレット

無農薬家庭菜園紋白蝶

広辞苑六法全書春の塵

しやぼん玉飛べば蒼茫たる亜細亜

しやぼん玉午後のまろび寝つゞきをり

蝶一つたゞよふ千の無縁塚

渾身の桜吹雪の中にかな

花散りて猫に猫撫で声もどる

桜貝波は力を抜きにけり

青柳や舞妓に出逢ふ巽橋

たそかれを舞妓のいそぐ柳かな

つゞき見て暗転したる春の夢

鳴き砂を鳴かせて春を惜しみけり

頬杖をつくランボーの春愁ひ

日曜の夜のさみしさや遠蛙

月曜といふもの憂さや昼蛙

風青し杜の都のスタジアム

レガッタの早やも日焼けし男たち

惜春の手をおばしまに嵐山

髪断ちて君旅立てり弥生尽

ゆく春の渚にのこす砂の城

青眼に構ふれば吹く春疾風

てふてふや線路の脇の献花台

箸置は小舟のかたち夏近し

お通しの酢の物の香や夏近し

天摩するビルのかがやき夏隣

葉桜やサンドウィッチですます昼

鳥の恋嘴(はし)と嘴より始まつて

西方へ仔猫探しに行つたきり

鳴いてゐし仔猫のゆくへご存知か

巽橋新橋柳青みけり

切株に知る木のよはひ昭和の日


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