*俳句と写真についての一考察

瞬間を切り取る点で、俳句は写真に似ていると言えます。
最近は、俳句と写真のコラボレーションも盛んです。

しかし、俳句はあくまでも言語芸術です。
俳句は、読者の自由な想像力との共作関係の上に成り立つものです。
写真は、読者のイメージを固定してしまいます。

例えば、「古池や蛙飛込む水の音 芭蕉」という誰もが知っている句がありますが
十人の読者がおれば 十通りの「古池があり 蛙がおり 水の音がある」のが当然でしょう。
つまり、それらは読者の想像力に委ねられているということです。

どんな古池であり、どんな蛙であり、どんな水の音であるのかという規定は
俳句にとって不要なことなのです。
読者のイメージを固定する必要はないのです。
読者の自由な想像力の関与こそが、俳句をより豊かなものにしてくれるのです。

 

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