俳句 田畑益弘俳句の宇宙

 

俳句 田畑益弘俳句の宇宙

田畑益弘主宰 俳句会「銀河系」


□■□田畑益弘主宰インターネット俳句会「銀河系」
これまでの「主宰者特選句」一覧

 

 

2008年 平成二十年

★十月句会 第七十回「銀河系」兼題「冷やか・秋冷・冷ゆ・朝冷え・夕冷え」

山際一郎選
題詠  冷やかに目薬老いの眼を溢る   綾乃
雑詠  
木犀や小康といふよき便り   阿紀

田畑益弘選
題詠  焼甘栗買ふ夕冷えの河原町   聡美
雑詠  秋澄みて膨らんでゐる水平線   まどか

★九月句会 第六十九回「銀河系」兼題「檸檬」

山際一郎選
題詠  爆弾のやうにレモンを置いておく   勿忘草
雑詠  鮭を打つ人には見せぬ顔をして   綾乃

田畑益弘選
題詠  れもん買ひて東京の片隅に帰る   妙
雑詠  月今宵ウインナワルツ父と舞ふ   彩

★八月句会 第六十八回「銀河系」兼題「秋の蝉」

山際一郎選
題詠  美ぎ島(かぎすま)や海越えて来る秋の蝉   久美子
雑詠  星になる人をあふぎし団扇かな   勿忘草

田畑益弘選
題詠  校庭に誰もゐぬ日やつくつくし   妙
雑詠  カヤックにB型同士波生まる   久美子

★七月句会 第六十七回「銀河系」兼題「泳ぎ」

山際一郎選
題詠  伊東君今も浮輪をしてますか   アリス
雑詠  てんとうむし絵本の中に帰りなさい   妙

田畑益弘選
題詠  平泳ぎ淋し太平洋淋し   まどか
雑詠  風死してどこかに軍艦マーチ鳴る   綾乃

★六月句会 第六十六回「銀河系」兼題「梅雨」

山際一郎選
題詠  ぬか床の香り芳し梅雨の入   雪
雑詠  狒々(ひひ)は怒る我はアイスクリーム舐む   琴糸

田畑益弘選
題詠  梅雨の闇太宰治の死をおもふ   麻里
雑詠  誰彼も羊水が郷夕河鹿   久美子

★五月句会 第六十五回「銀河系」兼題「金魚・熱帯魚」

山際一郎選
題詠  向き向きに漂ふ金魚どれ掬お   まどか
雑詠  母の日の母をとにかく座らする   勿忘草

田畑益弘選
題詠  おのが顔うつすばかりや金魚鉢   ちかこ
雑詠  麦秋を大きな風の吹くことよ   綾乃

★四月句会 第六十四回「銀河系」兼題「落花・散る桜」

山際一郎選
題詠  いづくより枯山水の飛花落花   風車
雑詠  思ひ出にふらここの骨軋みけり   羽合

田畑益弘選
題詠  花筏大きな闇に入りゆけり   妙
雑詠  退屈な時間にとまる春の蠅   まどか

★三月句会 第六十三回「銀河系」兼題「寝る・眠る」

山際一郎選
題詠  
春眠の雲へと掛かる梯子かな   琴糸
雑詠  校庭の木に触れてゆく卒業子   妙

田畑益弘選
題詠  夜桜を見てきし眼(まなこ)ねむらざる   麻里

雑詠  春の夜を光源氏に更かしけり   麻里

★二月句会 第六十二回「銀河系」兼題「束の間」

山際一郎選
題詠  恋文の送信二秒天の川
   アリス
雑詠  たかむらの風の奥より二月来る   勿忘草

田畑益弘選
題詠  恋文の送信二秒天の川
   アリス
雑詠  目刺齧る百まで生きてやるつもり   綾乃

★新年初句会 第六十一回「銀河系」兼題「笑う」

山際一郎選
題詠  
隣人の微笑み怖き天の川   妙
雑詠  三日はや何時もの釣師通りけり   冨美子

田畑益弘選
題詠  
守りたき笑顔のありぬ大旦   ちかこ
雑詠  結婚はもうせぬつもり初日記   彩

2007年 平成十九年

★十二月第六十回「銀河系」兼題「終る」

山際一郎選
題詠  
小説はハッピーエンド木の葉散る   アリス
雑詠  年末賞与たまには星を仰ぐかな   まどか

田畑益弘選
題詠  
この道の果ての怒涛や水仙花   やす
雑詠  ゆつくりと眼を閉ぢてゆく落葉かな   綾乃

★十一月第五十九回「銀河系」兼題「男・女・男女」

山際一郎選
題詠  夫婦して白息一二三二三   やっちゃん

雑詠  こんな日は炬燵で亀になつてゐる   妙

田畑益弘選
題詠  居待月夫婦茶碗の不揃なる   冨美子

雑詠  綿虫や海の石置く犬の墓   阿紀

★十月第五十八回「銀河系」兼題「世」

山際一郎選
題詠  あの世とは双子の地球渡り鳥   やんしゅう

雑詠  秋澄むや時計をあはす華甲の日   保月

田畑益弘選
題詠  ひとつぶの露にこの世のゆれはじむ   ちかこ

雑詠  木の実独楽子のをらざれば吾がまはす   勿忘草

★九月第五十七回「銀河系」兼題「食べる」

山際一郎選
題詠  食卓の椅子は四脚虫すだく   阿紀

雑詠  爽涼の空に群なす羊かな   羽合

田畑益弘選
題詠  空腹の学生時代天高し
   俊桂
雑詠  秋めくや花背の人に逢ひしより   綾乃

★八月第五十六回「銀河系」兼題「手紙・葉書」

田畑益弘選
題詠  恋文を台風の目に投函す   ひとみ

雑詠  今来いと呼ばれて月下美人かな   やっちゃん

★七月第五十五回「銀河系」兼題「太陽」

松本康司選
題詠  あの人と西日のせいで別れたの   妙

雑詠  夏旺ん椅子雑然とジャズ喫茶   麻里

田畑益弘選
題詠  あの人と西日のせいで別れたの   妙

雑詠  曖昧に癒されてゐる海月かな   ちかこ

★六月第五十四回「銀河系」兼題「影・陰(蔭)・翳」

松本康司選
題詠  
翔ぶものの翳の大きく日の盛り   琴糸
雑詠  植田道をんな教師も自転車で   阿紀

田畑益弘選
題詠  ひまはりの影絶叫す長崎忌   篠崎

雑詠  居ずまひを正して読む詩沖縄忌   妙

★五月第五十三回「銀河系」兼題「言葉・言の葉・語」

松本康司選
題詠  
「御言葉」も遠くなりけり昭和の日   やっちゃん
雑詠  教室西日誰がこぼした赤インク   ひとみ

田畑益弘選
題詠  
「御言葉」も遠くなりけり昭和の日   やっちゃん
雑詠  蛍火にはじまる吾の不眠かな   綾乃

★四月第五十二回「銀河系」兼題「身・体・躯」

松本康司選
題詠  わが身より熱き夫の墓洗ふ   綾乃

雑詠  春愁や草に坐れば草匂ふ   妙

田畑益弘選
題詠  
耕人の骨身といふが耕せり   琴糸
雑詠  春愁や草に坐れば草匂ふ   妙

★三月第五十一回「銀河系」兼題「音」

松本康司選
題詠  
初桜うしほ満ち来る音聞こゆ   妙
雑詠  永き日の漬物石でありにけり   ちかこ

田畑益弘選
題詠  
霾や一日ビルを壊す音   阿紀
雑詠  永き日の漬物石でありにけり   ちかこ

★二月第五十回「銀河系」兼題「旅」

松本康司選
題詠  島の夜は旅人ばかり水温む   冨美子

雑詠  観音の御衣(みけし)のうすき余寒かな   綾乃

田畑益弘選
題詠  初旅や異国の蝶とすれちがふ   妙

雑詠  春浅し一脚で立つフラミンゴ   まどか

★一月第四十九回「銀河系」兼題「口」

松本康司選
題詠  間口二間のさあさ上座へ初明り   久美子

雑詠  杖ついて日頃の道が恵方道   綾乃

田畑益弘選
題詠  間口二間のさあさ上座へ初明り   久美子

雑詠  杖ついて日頃の道が恵方道   綾乃

2006年 平成十八年

★十二月第四十八回「銀河系」兼題「色」

松本康司選
題詠  冬ぬくしかあさん色のたまごやき   久美子

雑詠  年の瀬をしづしづ曲がる霊柩車   ゆみ

田畑益弘選
題詠  ポインセチア亡き子を想ふ色となり   綾乃

雑詠  雨上りひかる冬芽の底力   美佐枝

★十一月第四十七回「銀河系」兼題「里・郷」

松本康司選
題詠  
故郷やちくわの穴は覗くため   やんしゅう
雑詠  くれなゐの屋台ののれん雪催   まどか

田畑益弘選
題詠  
故郷やちくわの穴は覗くため   やんしゅう
雑詠  かごめかごめうしろに冬の来てゐたり   ちかこ

★十月第四十六回「銀河系」兼題「羽(翅)・翼」

松本康司選
題詠  翼あるものさへ哀し鰯雲   ひとみ

雑詠  母の辺に縫糸通す夜長かな   阿紀

田畑益弘選
題詠  
この羽の主を尋ねて天高し   久美子
雑詠  母の辺に縫糸通す夜長かな   阿紀

★九月第四十五回「銀河系」兼題「図」

松本康司選
題詠  星月夜なれど星図の見えざりき   羽合

雑詠  秋の空おいてけぼりになつてをり   まどか

田畑益弘選
題詠  秋暑し人あまたゐる洛中図   ゆみ

雑詠  連れ合ひは団塊世代さんま焼く   阿紀

★八月第四十四回「銀河系」兼題「詩」

松本康司選
題詠  過ぎりしは詩人のかほの蟇蛙   ちかこ

雑詠  作者辞退のため取り消し

田畑益弘選
題詠  飛行雲ただひとすじの詩は滲む   こむ

雑詠  パイロットはホモサピエンス原爆忌   羽合

★七月第四十三回「銀河系」兼題「紙」

松本康司選
題詠  冷房のしづけさに置く紙コップ   ちかこ

雑詠  ふらんすの水買ひにゆく熱帯夜   妙

田畑益弘選
題詠  冷房のしづけさに置く紙コップ   ちかこ
雑詠  昼寝覚見下ろせばまだゴビ砂漠   勿忘草

★六月第四十二回「銀河系」兼題「骨」

松本康司選
題詠  
咳こめる母を摩(さす)れば骨に触る   ゆみ
雑詠  梅漬けて灯りの町の人となる   小夜子

田畑益弘選
題詠  
愛犬シロのそれは小さな遺骨かな   アリス
雑詠  どくだみの路地の達筆「ぬけられません」   こむ

★五月第四十一回「銀河系」兼題「傷・疵」

松本康司選
題詠  
忠勝の無傷の鎧兜なり   久美子
雑詠  水たまり跳んで五月の風になる   ちかこ

田畑益弘選
題詠  よみがへる疵の記憶や更衣   ゆみ
雑詠  かくれんぼ蜥蜴に化けて終ひけり   やんしゅう

★四月第四十回「銀河系」兼題「鏡」

松本康司選
題詠  
けふもひとり鏡の国に飯を炊く   ゆみ
雑詠  カーナビの右へ右へと言ふ遅日   阿紀

田畑益弘選
題詠  永き日が凸面鏡に歪んでゐる   まどか
雑詠  寿ぎも弔ひもあり霾れる   妙

★三月第三十九回「銀河系」兼題「香・薫」

松本康司選
題詠  
薫子は少女の名前雛納め   小夜子
雑詠  春の雲アルツハイマーかも知らん   綾乃

田畑益弘選
題詠  葬場に逢瀬を得たり百合かをる   勿忘草
雑詠  
檜あふぎの傾ぎいささか夜のひひな   雪之丞

★二月第三十八回「銀河系」兼題「背」

松本康司選
題詠  背に残る香水の名はエゴイスト   久美子
雑詠 
 自転車のかごに楽譜が揺れて春   えこ

田畑益弘選
題詠  寒き夜のたれもをらざる背後かな   麻里
雑詠  大白鳥孤高の白となりて翔つ   ちかこ

★一月第三十七回「銀河系」兼題「家」

松本康司選
題詠  百物語家がみしりと鳴りにける   麻里
雑詠 
 初旅は岐阜羽島より雨となり   阿紀

田畑益弘選
題詠  春満月絵本の家の畳まるる   ちかこ
雑詠  初旅は岐阜羽島より雨となり   阿紀

2005年 平成十七年

★十二月第三十六回「銀河系」兼題「道・路・径」

松本康司選
題詠  
麦熟るる一本道のさびしさに   妙
雑詠 
 着膨れてしつかり貯金して来たる   妙

田畑益弘選
題詠  
麦熟るる一本道のさびしさに   妙
雑詠  
冬ざれや古刹の裏の竹箒   阿紀

★十一月第三十五回「銀河系」兼題「駅」

松本康司選
題詠 とある日の小駅混みゐて神の旅    麻里
雑詠 
底ぬけの浪花秋天あんたが好きや   こむ

田畑益弘選
題詠 駅長の一人勤務や晦日蕎麦   風車
雑詠 フルートにふるるくちびるふゆはじめ   えこ

★十月第三十四回「銀河系」兼題「町・街」

松本康司選
題詠 この町に生きてゆく杖買ひにけり   綾乃
雑詠 白桃や沈黙といふ了承も   えこ


田畑益弘選
題詠 この町に生きてゆく杖買ひにけり   綾乃
雑詠 自画像と語りあひたき夜長かな   やっちゃん

★九月第三十三回「銀河系」兼題「窓」

松本康司選
題詠 月光や窓ことごとくはめ殺し   阿紀
雑詠 片恋や草蒼ければ露蒼く   真沙


田畑益弘選
題詠 窓近くゐて何もせず虫の夜  雪之丞
雑詠 片恋や草蒼ければ露蒼く   真沙

★八月第三十二回「銀河系」兼題「顔」

松本康司選
題詠 寒紅や別れを告ぐる貌つくる   アリス
雑詠 ひとづまにもどる蜩なきにけり   久美子


田畑益弘選
題詠 夏期休暇夫にも素顔ありにけり  麻里
雑詠 那智の瀧見て来し夜の深き酔ひ   雪之丞

★七月第三十一回「銀河系」兼題「涼し」

松本康司選
題詠 橋涼し下駄を鳴らして酔ひにゆく   阿紀
雑詠 日傘ひらき九十九里浜ふわふわゆく   麻里


田畑益弘選
題詠 一汁と一菜に慣れ涼しけれ  勿忘草
雑詠 日傘ひらき九十九里浜ふわふわゆく   麻里

★六月第三十回「銀河系」兼題「鮎」

松本康司選
題詠 鮎寿司に小さな膝の並びをり   りん
雑詠 水母のみ白し第三埠頭の夜   勿忘草


田畑益弘選
題詠 天上に風のせせらぎ鮎を焼く  まどか
雑詠 冷酒ぐらり怖いものなどありません   阿紀

★五月第二十九回「銀河系」兼題「更衣」「衣更ふ」

松本康司選
題詠 衣更ふけふもいつもの米を研ぐ   やんしゅう
雑詠 白猫が三毛猫生んで聖五月   妙


田畑益弘選
題詠 衣更へていちにちカモメ見てゐたる  アリス
雑詠 白猫が三毛猫生んで聖五月   妙

★四月第二十八回「銀河系」兼題「朧」

松本康司選
題詠 草おぼろ国分寺址になんにもない   真沙
雑詠 野遊びの半分犬になつてゐる   アリス


田畑益弘選
題詠 小児科へ朧の角を曲りけり  麻里
雑詠 脳死てふ命の鼓動落椿   風車

★三月第二十七回「銀河系」兼題「囀り・囀る」「鳥の恋・鳥交む」

松本康司選
題詠 囀りや帯新しき古語辞典   梓
雑詠 白粥や治りたくない春の風邪   久美子


田畑益弘選
題詠 アコーディオンプリーツに風囀れる  えこ
雑詠 亀鳴くや電気で動くものばかり   やんしゅう

★二月第二十六回「銀河系」兼題「梅」

松本康司選
題詠 梅白しすつくと背筋伸ばしたる   まどか
雑詠 やむを得ぬおならのやうに卒業す   妙


田畑益弘選
題詠 万蕾に切火のごとき梅一花  雪之丞
雑詠 土手青む乗れた見ててと一輪車   保月

★一月第二十五回「銀河系」兼題「淑気」

松本康司選
題詠 淑気とはお茶に梅干入るゝこと   妙

雑詠 まつすぐに子宮に響く寒の水   妙

田畑益弘選
題詠 淑気満つ起筆の墨のおきどころ   宙
雑詠 初声や大樹の影の浮かびくる   りん

 

2004年 平成十六年

★十二月第二十四回「銀河系」兼題「十二月」「極月」「師走」

松本康司選
題詠 極月や骨組みだけのプラモデル   ちかこ

雑詠 クリスマスイルミネーション逢瀬果つ   真沙

田畑益弘選
題詠 十二月ジグソーパズルばらばらに   妙
雑詠 息白く一鞭くれて調教師   雪之丞

★十一月第二十三回「銀河系」兼題「帰り花」「返り咲く」

松本康司選
題詠 生欠伸生返事して返り咲き   麻里

雑詠 狩の犬われを黙殺してとほる  ゆみ

田畑益弘選
題詠 蹴ろくろの括れゆく壺帰り花   りん
雑詠 おほかたは泣いて忘るる唐辛子   ちかこ

★十月第二十二回「銀河系」兼題「秋の水・秋水」「水の秋」「水澄む」

松本康司選
題詠 ずたずたのこころが映る秋の水   妙
雑詠 ほどほどに人とほる道草の花   アリス


田畑益弘選
題詠 水澄むや智恵子のやうに狂ひたし   琴糸
雑詠 秋の雲ゆつくりまはす吹き硝子   ちかこ

★九月第二十一回「銀河系」兼題「流れ星・流星」「星流る」「星飛ぶ」

松本康司選
題詠 ブレーキを踏みし跡あり流れ星   妙
雑詠 天高く無いものは無い仕方ない   まどか


田畑益弘選
題詠 沖にまた星の流れて島泊り   雪之丞
雑詠 水色のペディキュア落とし九月かな   久美子


★八月第二十回「銀河系」兼題「秋の蝉」「蜩」「法師蝉」

松本康司選
題詠 かなかなの夢の入口出口かな   アリス
雑詠 黒髪の集まつてくる原爆忌   まどか


田畑益弘選
題詠 ひぐらしや母には広くなりし家   えこ
雑詠 少年のブレイクダンス夏惜しむ   ちかこ


★七月第十九回「銀河系」兼題「花火」

松本康司選
題詠 手花火やまだ人妻になりきれず   麻里
雑詠 飛込みの刃物になつてゆく途中   アリス


田畑益弘選
題詠 上流も下流も利根の大花火   阿紀
雑詠 片陰を行つたり来たりする噂   えむ


★六月第十八回「銀河系」兼題「短夜」「明易し」

松本康司選
題詠 短夜やはゝのいのちに添ひ寝して   えむ
雑詠 滝音のまへ夫も子もゐぬ如し   麻里


田畑益弘選
題詠 短夜やはゝのいのちに添ひ寝して   えむ
雑詠 森いまも童話の世界てんと虫   妙

★五月第十七回「銀河系」兼題「薔薇」

松本康司選
題詠 蔓薔薇や享年一歳三ヶ月   真沙
雑詠 男より大切な髪洗ひけり   まどか


田畑益弘選
題詠 薔薇崩る愛のかたちの変はるとき   えむ
雑詠 かの星へ手足わすれて旅の蛇   やんしゅう

★四月第十六回「銀河系」兼題「踏青」

松本康司選
題詠 佐伯祐三アトリエ跡や青き踏む   真沙
雑詠 花散るや夕刊を手に渡さるる   えこ


田畑益弘選
題詠 六十路には六十路の夢や青き踏む   よしお
雑詠 春燈下人形踊りだしさうよ   まどか

★三月第十五回「銀河系」兼題「蝶」

松本康司選
題詠 てふてふのこの世の遊び始まれり   まどか

雑詠 春の海風力塔は風を待つ   ちかこ

田畑益弘選
題詠 てふてふのこの世の遊び始まれり   まどか
雑詠 百獣の王と眼の合ふ春愁ひ   妙

★二月第十四回「銀河系」兼題「冴返る」「寒戻る」

松本康司選
題詠 冴え返るガラスの林檎触れ合ひて   えこ
雑詠 撫牛の角つやつやと春立てり   雪之丞

田畑益弘選
題詠 冴返る鎌倉山の居丈高   真沙
雑詠 立春や一樹の光り艶と見て   麻里

★一月第十三回「銀河系」兼題「鏡餅」「御鏡」

松本康司選
題詠 お鏡のしんと坐れる国の明け   えこ
雑詠 今生やするめのごとく三ケ日   真沙

田畑益弘選
題詠 祖(おや)ありてその祖ありて鏡餅  アリス
雑詠 雪礫少年の目でつかみをり   阿紀

 

2003年 平成十五年

★一月第一回「銀河系」兼題「初夢」
山際一郎選
題詠 初夢の蕾むくむく動き出す  冨美子 
雑詠 行く年や手巻時計の捻子を巻き  やんしゅう

田畑益弘選
題詠 初夢の夫饒舌でありにけり  阿紀
雑詠 初電話ふるさとに母あるかぎり  勿忘草

★二月第二回「銀河系」兼題「春浅し」「浅き春」
山際一郎選
題詠 春浅き海をまぶしみゐたるかな  真沙
雑詠 キスをしてうつしてしまふ春の風邪  妙

田畑益弘選
題詠 春浅き海をまぶしみゐたるかな  真沙
雑詠 春空やジャングルジムに子等のこゑ  八栄

★三月第三回「銀河系」兼題「淡雪」「牡丹雪」
山際一郎選
題詠 わたくしのくちびるにとけぼたんゆき  麻里
雑詠 母の手をとれば弥生の野のまぶし  小夜子

田畑益弘選
題詠 該当作なし
雑詠 囀りやくちびるに差す桜色  えこ

★四月第四回「銀河系」兼題「春惜しむ」「惜春」
山際一郎選
題詠 春惜む海一望の汝の墓標  阿紀
雑詠 いつしかにはぐれてしまひ花の昼  えこ

田畑益弘選
題詠 長風呂の湯をあふれさせ春惜しむ  綾乃
雑詠 わだかまり秘めて夫婦の蜆汁  勿忘草

★五月第五回「銀河系」兼題「母の日」
山際一郎選
題詠 母の日や父に聞きたきことひとつ  阿紀
雑詠 紫陽花のごと男の胸に咲いてみる  歌姫

田畑益弘選
題詠 母の日の母は小さくなりにけり  真沙
雑詠 主婦のかほ忘れたき日のサングラス  綾乃

★六月第六回「銀河系」兼題「紫陽花」
山際一郎選
題詠 紫陽花に色を変へたる雨の糸  麻里
雑詠 きょう歩く道のり決めて蝸牛  小夜子

田畑益弘選
題詠 母の声あるかに雨の七変化  冨美子
雑詠 若夏の吾子ふと男臭きかな  勿忘草

★七月第七回「銀河系」兼題「浴衣」
山際一郎選
題詠 亡き母の浴衣しみじみ小さかり  麻里
雑詠 幼な日の夏空もつと広かりき  妙

田畑益弘選
題詠 いくたびも鏡に映り初浴衣  妙
雑詠 童顔を貼りつけてゐる梅雨の窓  清有

★八月第八回「銀河系」兼題「夕焼」
山際一郎選
題詠 ゆふやけやふいに逢ひたくなりし人  阿紀
雑詠 香水の香に母のゐる小抽斗  ゆみ

田畑益弘選
題詠 欠け仏傾き仏夕焼くる  冨美子
雑詠 かき氷サクサクと嘘くずしゆく  歌姫

★九月第九回「銀河系」兼題「秋灯」
松本康司選
題詠 いつも見つむる秋の灯がひとつある  まどか
雑詠 桃剥いて言葉少なに別れたる  真沙

田畑益弘選
題詠 今度いつ会へると結ぶ秋灯  えこ
雑詠 よそほひの決められずをり秋の雲  久美子

★十月第十回「銀河系」兼題「蟋蟀」「ちちろ」「つづれさせ」
松本康司選
題詠 蟋蟀や電気仕掛けの御神水  真沙
雑詠 金木犀香り乳房の持ち重り  梓

田畑益弘選
題詠 鉄鉢の黒の静かさちちろ鳴く  保月
雑詠 秋刀魚食ぶ刀に魚と教へつつ  綾乃

★十一月第十一回「銀河系」兼題「冬隣」
松本康司選
題詠 定年の文字裏に棲む冬隣  梓
雑詠 銀杏弾く夕暮れの滑り台  冨美子

田畑益弘選
題詠 矢狭間を抜け来る風や冬隣  保月様
雑詠 
木の柿がみないつまでもある屋敷   清有

★十二月第十二回「銀河系」兼題「室の花」「室咲き」
松本康司選
題詠 紅殻の格子旧りけり室の花  梓
雑詠 山眠る待合室は待つところ  アリス

田畑益弘選
題詠 二杯目の紅茶いただく室の花  えこ
雑詠 極月やだれかれの顔胸に来る  小夜子


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